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漫画好きの読書箱

好きな本や漫画のネタバレと感想。

ワカコ酒 ネタバレ感想 なんでこんなに評価が低いのかわからない

村崎ワカコ26歳、OLが夜な夜なひとりで美味しいおつまみと酒を楽しむグルメ系漫画「ワカコ酒」。アニメも全話見たし、毎回おいしそうにつまみを食べるワカコと料理の素敵さが大好きなお話です。

びっくりしたのが妙に評価が低いこと。「ぷしゅーが気持ち悪い」「毎回酒のんでつまみ食べて終わりでマンネリ過ぎてつまんない」系な低レビューが多く、「え、グルメ漫画に何を求めているの!?」と驚いたので、あえてこの漫画の良さを語ってみたいと思います。

毎回、淡々とおいしいものを食べるのが良い!

グルメ漫画に求めるのは『おいしい料理をおいしく食べる姿』を見て、読者が疑似体験して楽しく読めることです。「ワカコ酒」を読んで、「あのだし巻き卵、今すぐ食べよう!」と自宅で作ってみたり、あるいは居酒屋で注文しちゃった方も多くいるんじゃないんでしょうか。

お蕎麦屋さんにひとり入り、昼から日本酒という粋な気分も「うん、いいよね!」と自分もやってみたくなる魅力。

グルメ漫画の宿命として、ストーリーは「店に入ってうまいものを注文する→各おつまみとうまい酒の組み合わせに感動する」しかないので、マンネリ化するのは仕方ないとして、同じ物語の型で毎回これだけのバリエーションを作り出せるというのも、ある意味感動的ではないでしょうか。

それを「つまらない」と感じるのは好みの問題であって、私は毎話面白くて「つぎは何を食べるんだろう!」とワクワクします。う〜ん、純粋に食いしん坊なら楽しめるってことですかね。

お約束の表現で話がカッチリ締まる

さて、「ぷしゅー」なんですが、これは当然ながら漫画的表現であって、独身女性がリアル居酒屋で「ぷしゅー」と言うわけはありません。

ワカコがおいしいおつまみとお酒に感動し、「うまい!なんて贅沢!!」という食の喜び、その内面を表現したのが「ぷしゅー」なのであって、これがあってこその「ワカコ酒」と言えます。

ブツブツしゃべっているのはあくまで心の中のワカコのつぶやきであり、ワカコはお店でメニューを注文する以外、ほとんどしゃべりません。しゃべりがあるのは時折のOLライフが出て来るシーンくらいですね。

「ぷしゅー」はお約束の表現、といった感じで気になりませんけど、「生理的に気持ち悪い」と感じるならまあ、合わないんで読まなきゃいいんじゃないんですかね。

独身OLとしてのワカコの元気の源

メインはグルメなので、ワカコの私生活や会社での出来事はほとんど出てきませんが、時折彼女がどんな生活をしているのかわかるコマが出てきます。社会人としてしっかり働き、新人君を教育する先輩OL、そして真剣な付き合いをしているのかどうかわからない彼氏の存在。

ワカコは恋愛に対しては淡白な性格がうかがえ、彼氏よりはひとりの時間を大事にしています。「ヒロキ」という名前のようですがどんな関係なのか不明で、ワカコの態度を見ているとそもそも恋人なのかどうかすら怪しく、「友達以上、恋人未満」の彼氏の可能性もあります。

「一緒にごはんを食べよう」という彼氏からのメールを、今一人で過ごしたいからと断ったワカコにイラッとした!という意見もあるけれども、彼氏からそういう扱い受けるのってよくあるんですけどね。女から同じことされると腹立つのかな。

「花のズボラ飯」のゴロさんみたいなもんで、本編に出てこない以上「ヒロキ」は設定以上の存在ではないのでストーリー上出て来る必要がないし、そこを追求するのは野暮でさえある。

ワカコはあえてひとりで店に入り、酒を飲むのは日々の積み重なるストレス、非日常空間で癒されることを求めていると考えられます。

会社で使えない新人の教育に疲れたり、仕事上の行き違いでへこんだり、といった独身OLの疲れを「おいしいものを楽しむこと」で取り去り、次の日から元気にやっていくための活力を得ているのです。

女のひとり飲み漫画に癒やされたいなら「ワカコ酒」

ワカコの魅力を語るのであれば、「妙に突っ張っていない自立した女性像」でしょうか。物静かな性格で、多少の理不尽さも黙って受け止め、同僚ともうまくやっている。自分の仕事の稼ぎで自立して暮らし、飲み代はもちろん自分の財布から出している。

友達もいないわけではなく、結婚式に出てたくさんの友人がいることもわかる。自立した女性像と言っても、女性の人権がどーたらこーたらな突っ張ったフェミでもない。ごく自然体な人で、食の好みが合わない彼ともお互いに適度な距離で付き合っている様子。

ひとり居酒屋に向かうのは、「おいしいお酒とおいしいものが食べたいから」で、自分と趣味嗜好が違う人間を無理に誘うこともなし、ひとりで楽しんじゃうのがいい。

バカ騒ぎもいいけれども、大人の静かな時間がたまらない。「女のひとり飲みって、たまにいいよなあ」と感じさせてくれて、何とはなしに癒やされる漫画が「ワカコ酒」なのです。

「合う」「合わない」は読まないとわからないですけれども、食いしん坊さんならきっと好きになると思いますよ〜!

 

>>「ワカコ酒」試し読み