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透明なゆりかご5巻 ネタバレ感想 沖田×華

沖田×華先生の「透明なゆりかご 産婦人科医院看護師見習い日記」は、「命について考えさせられる」と大反響の作品。

看護学科時代に見習い看護婦として産婦人科で働いた記録を漫画化したお話で、最新の5巻がリリースされましたので、あらすじや感想をご案内します。

全部で8エピソードあるので、その中から心に残ったものをピックアップしていきます。

透明なゆりかご5巻ネタバレ

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【一番ひどいと思ったエピソード】妊娠騒動

×華さんが通っている学校のスクールカースト上位にいるグループ3人と関わったお話。

普段まったく接触がなかったのに、×華さんのバイト先が産婦人科と知って「妊娠検査薬もってきて」と話しかけられたことから事件は始まります。

 

3人が同時に「生理が止まり」、妊娠したかもしれないけれども産婦人科に行くのは絶対イヤ!と言い張るため、×華さんが右往左往させられる。

彼女たちに代わって×華さんが検査薬を買いに言って薬局のおばさんに「ふしだらな子!」みたいな態度を取られた挙句、3人からただのパシリ扱いで利用されるだけされる。

彼氏に妊娠の可能性を打ち明けた3人は、3人とも彼に逃げられてしまい、にっちもさっちもいかない状況で仕方なく×華さんが働く産婦人科で検査。結果はなんと『想像妊娠』だったというオチ。

 

問題解決後、3人の女子高生たちは×華さんの存在すらなかったかのように二度と話しかけなかった、という「なんなのコイツら、ひどすぎ」というエピソードでした。

それに対して特に怒りも恨みもせず、淡々と助けてあげた×華さんがいい人すぎる。


【一番泣いたエピソード】母の祈り

21歳の黒田美奈子さんが結婚して妊娠、出産した。若いお母さんとあって、赤ちゃんの扱いが不器用で見ていてハラハラするほど。

×華さんはそんな美奈子さんに何かとお手伝いするようになり、退院の日には「赤ちゃんと一緒に写真をとってもらえますか」と感謝された。

 

2ヶ月後、×華さんに美奈子さんからSOSの電話が入る。息子が息をしていない、という美奈子さんのために病院から通報して緊急搬送されたものの、赤ちゃんは窒息で亡くなってしまう。

その死因と、ショックで呆然として涙すら流せない美奈子さんの態度のせいで警察や周囲から「お母さんが息子を殺したのでは?」と疑われ、逃げるように引っ越ししてしまった美奈子さん。

 

×華さんは「美奈子さんがそんなことをするわけない」とその後も気になっていて、たまたま出かけた先で美奈子さんの実家を訪ねて会う。

美奈子さんは自分を責めながら、ずっと神社参りをしていた。息子の死に苦しむ美奈子さんに、×華さんはどんなに母親として頑張っていたか自分は知っているし、ひとりの人間として好きですと伝えて、美奈子さんは慰められる。

 

悲しみを表にあらわすことができないほど、ショックを受けたお母さんが心無い周囲の人たちから追い詰められている姿がかわいそうで、すごく涙が出ました。

 

【一番笑ったエピソード】安産祈願!

切なかったり、泣いてしまうエピソードの中で笑わせてくれたのがこのお話。

原口理恵さんは3人目を妊娠し、男の子だと判明。四世代で暮らしている大家族の理恵さん家は、女性ばかりが生まれる家系で「男の子」が生まれるとわかり奇跡だ!と大騒ぎになります。

 

大家族総出で思い出のビデオ撮影を本格的にしたり、毎日お祭り騒ぎのようになって落ち着かず、妊婦の理恵さんにも悪影響が出るほど。

あと2週間で生まれる、というところで感動の出産日を迎えるべく一家で安産祈願のお寺参りを計画。ところが、お寺参りした翌日から家族揃って重い風邪を引き、妊婦に移ったら大変だと理恵さんが産婦人科に避難してしまいます。

幸い、理恵さんに風邪の症状は出なかったものの、あっという間に陣痛が来て出産。風邪で全滅していた一同は、感動の出産シーンに立ち会えずポシャってしまう。

 

自宅に帰った理恵さんが見たものは、一家全員で「本当にごめんなさーい!」と土下座して謝る姿でした。

大家族で待望の男の子を大喜びしたあげく、肝心の場面で風邪を引いてしまう、というギャグマンガのような流れ。また、土下座シーンが面白すぎて笑ってしまいました。大家族で一家全員でこんなに大切にされるなんて、うらやましいなー、と思えたり。


こんなほんわかした出産ばかりなら本当にいいんですが、冒頭話の「中絶の家」みたいな耳を疑いたくなるような環境で子供をおろしつづける母もいたり、出産の現場はさまざまです。

どのエピソードも胸に迫るお話ばかりで、沖田×華さんの漫画は本当にすごいと思います。

 

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