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天使の腐臭 ネタバレ感想 長崎さゆり作の漫画

長崎さゆり先生の漫画「天使の腐臭」は、毒母に虐待されて愛を知らずに育った少女・杏奈が母の彼氏におもちゃにされ、流産した挙句に捨てられ、死にかけたところを医師に助けられます。

辛い環境の中、杏奈は多重人格者となり「春奈」と名乗りますが・・・

「天使の腐臭」ネタバレ

毒母の虐待と流産で死にかける

杏奈は物心ついたころから押し入れの中で暮らし、母親の美代子に虐待されていた。ろくな食べ物も与えられず、母の彼氏である怜二にこっそりと身売りさせられていた。

ある日、いつものように男たちにまわされてビデオを撮影されている現場に美代子が戻ってくる。杏奈はお腹に子供がいて、流産してしまい血の海でのたうち回っていた。裸のまま車に乗せられ、雪が降る草原に置き去りにされた杏奈。

医者に助けられる杏奈

死にかかっていた杏奈を見つけ、医者の近藤修介は自分の病院へ運び込む。個人病院で、二階へ杏奈を運び込み、保護したことを警察には届けなかった。

目が覚めた杏奈は「あんたがあたしを買ったの?」と奇妙なことを聞く。修介は彼女の話から、親に虐待されとんでもない環境で育ったことに気づく。そしてさらに多重人格であり、本名は「杏奈」だが話をしているのは「春奈」だった。

行き遅れ女に脅される修介

二階で杏奈を匿っていることが、受付の女・田村にバレる。田村は50近くのおかめデブで以前から修介と結婚したいと思っており、弱みを握って脅してきた。

自分と結婚しなければ、警察にすべてをばらしてやる、というのだ。性悪女の脅しにうんざりした修介は言われるままに結婚を承諾したが、事故に見せかけて河原で彼女を始末した。

修介の過去のトラウマ

修介には殺人の過去があった。昔、春香という女と暮らしていたが寂しいからと浮気して以来、ヒステリーを起こして自ら死を選んだ。倒れているのをいつもの狂言だと放置した結果だった。

春香の遺体を小さく刻み、それからずっと罪を重ねてきた修介。「春奈」と出会ったことでまぶしい光を取り戻した修介は「修介が好き、ずっと一緒にいたい」という彼女に執着していく。

杏奈を見つけた怜二

母の彼氏・怜二は、母に借金を押し付けて去ったあと、ずっと杏奈のことが忘れられなかった。「あれは俺の女だ」と不思議な魅力に満ちていた杏奈をあきらめきれない。

田村の葬式のとき、偶然に杏奈を見かけて彼女を取り返すために怜二は近所の男に取り入って悪巧みを始める。

「天使の腐臭」の感想

登場人物全員ヤバイ人ばっか・・・ヒロインの杏奈(春奈と呼ぶべきか)は異常な生活環境のせいで、すっかりはすっぱな性格で殺人を見ても「ふーん」な感じの子に育ってしまっているし、杏奈を助けた医者の修介も過去にいろいろやらかしている病んでいる人物でした。

杏奈の母親はすれっからしのどうしようもない毒母で、杏奈を捨てたあとに不幸が襲ってきますが「全部あの子のせいだ!」と娘のせいにしているし。

ろくでなしの彼氏・怜二は半グレで借金まみれの女衒みたいな男だし、受付の田村はヤンデレかってくらいに気持ちが悪いオカメでした。

杏奈と春奈がどう違うのかちょっとややこしいですよね。今のところ杏奈はしゃべってませんし、「春奈」が主人格として出てきています。

まともな人・・・ひとりもいないし。それでも、春奈と修介の関係はどこか安らぎに満ちていて、不幸な人生を歩んできたふたりが一緒に再生していけるのかな、という希望が少し見えるお話でした。

 

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