漫画好きの読書箱

好きな本や漫画のネタバレと感想。

漫画「処刑される女たち」ネタバレ感想 川崎三枝子

川崎三枝子作の漫画「処刑される女たち~肉削ぎ・四肢切断~」

タイトルからすでに血なまぐさいニオイが漂います。中東の恐ろしい姦通罪での女性への刑罰、第二次大戦での人体実験、などむごい方法で処刑された女性たちの短編漫画集です。

こちらでは、第一話「血染めの婚姻」のあらすじと感想をご案内します。

 

「処刑される女たち」ネタバレ 

>>「処刑される女たち~肉削ぎ・四肢切断~」無料試し読み

王族の晩餐会に招待された娘

サーシャ・ラナートは王族に仕える父が、王族ダガールの晩餐に呼ばれたことで自らも母と共に招待を受ける。

「サーシャ、王族の晩餐なのですから、失礼のないように」

「わかっているわ。でもわたしまでご招待くださらなくておよかったのに・・・」

正直なところ、サーシャはあまり乗り気ではなかった。それでも無礼にならないように身ぎれいにして礼儀正しく振る舞わなくてはならない。

 

姦淫罪での処刑を目撃

途中、車から女性の処刑を見てしまう。結婚前に姦淫してしまった罪で、絞首刑にされるというのだ。

男のほうは鞭打ちで済むのに、女性だけ死罪だなんて・・・と、「愛し合っていたかもしれないのに。この国では自由恋愛もゆるされないの!?」と憤るサーシャ。

 

セクハラ王族と、美しい召使の青年

会場につくと美しい女性たちが集められており、父は母とサーシャをダガールに紹介した。

「美しい!処女だろうな」

と、いきなりダガールはサーシャの腰回りに触ってきた。

驚いて逃げたサーシャに、ダガールの召使・ジャムスが追ってきて「うちの主人が失礼をしてすみません」と丁重にわびてきた。彼は好青年で、サーシャは「こんな素敵な人と結婚できたら」と、ときめく。

 

ダガールの妾になるよう要求される

後日、ダガールから「第五夫人になれ」と、サーシャに妾になるようにと要求がきた。

「サーシャ、到底断るなんてできないんだよ。王族に逆らったら、どんなことになるか」

父はふるえながらそう言った。

母もまた「どうせこの国では、好きな人に嫁ぐことなんてできない。妾でも贅沢はできるし」という。

どうせなら、あの素敵な人だったらよかったのに、と涙を流すが両親のことを思えば断れない。

「わかりました、いきますダガール様のもとに」

涙を流す愛娘を見て、父は「やはり娘を妾になんかさせられない!」

と直接出かけてダガールに断りの返事をしにいった。

 

父親の不審死とサーシャの悲劇

父親の身を案じて帰りを待っていたサーシャのもとに、ダガールが乗り込んできて父の遺体を運び込んできた。

「帰宅途中で事故にあったようだ」

そういうダガールだったが、父はあきらかに首を刃物で切られて亡くなっており、事故などとうていありえない。

「サーシャ!おまえは王族に逆らった罪で、姦淫罪で処罰する!!」

父に断られて顔に泥を塗られたダガールが怒り、腹いせに父を殺し、サーシャに無理やり罪を着せて処罰しようというのだった。

「やめて!」とサーシャをかばおうとした母親もまた、ダガールの手にかけられてしまう。

襲いかかってくる男たちから身を守るために、刃物を拾って対抗したため、男をひとり切ってしまう。その罪で、裁判所で死刑を宣告され、サーシャは死刑囚として刑務所に送られてしまった。

 

処女は処刑できない決まりのハズ、が・・・

刑務所で同じ死刑囚の女と話をするサーシャ。

彼女は男に襲われた被害者なのに、彼女だけが姦通罪に問われて処罰されるのだという。

「なんて差別なの・・・」

女だというだけで、どんな理不尽なことも我慢しなければならないこの国の法律に絶望するサーシャ。

国の法律では処女であれば死刑にできない決まりがあり、時間さえ稼げれば親戚のおじがきっと助けてくれると考えていた。

だが、叔父から「力になれそうもない」と返事が来て、処刑できないはずの処女であるサーシャに、なぜか処刑の通知がやってきた。

それは、ダガールによるむごたらしい計略で、想像を絶する苦痛の処刑が待っていたのだった・・・。


「処刑される女たち」の感想

ハッキリ言って「胸糞」ですね・・・中東あたりでは、宗教的な土壌や代々の価値観によって「女性は家畜以下」みたいな扱いを受けると聞いています。

現代ではいくらか国際社会の目もあり、改善されている様子はありますが、依然として女性に対するむごく理不尽な刑罰も存在しています。

一番理不尽なのは、この漫画でも描かれている「姦通罪」ですね。新聞などで男に襲われた被害者女性のほうがなぜか処刑されてしまう、というニュースを読んだことがあります。

普通の国なら「え?男が処刑されるべきでは?」と思いますが、女性の権利が著しく低い国においては、「やられた女のほうが悪い」ということになってしまいます。ホントに理解できない価値観ですね・・・。

 

処刑を回避するためには「襲った男と結婚」するしかない、とか。謎すぎです。

国が違えば文化も違う。ゾワッとするようなむごたらしい目に合わされる女性たちのお話を読み、日本に生まれて本当によかった、と心から思いました。

 

>>「処刑される女たち~肉削ぎ・四肢切断~」無料試し読み