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漫画好きの読書箱

好きな本や漫画のネタバレと感想。

漫画「後遺症ラジオ」ネタバレ感想 中山昌亮

中山昌亮先生の不気味なホラー漫画「後遺症ラジオ」は、断片的なオムニバスを切り取るような場面によってストーリーをつむぎだし、つながった瞬間に「ゾワリ」とする物語です。「おぐしさま」とは一体、何なのか? 異形の影に怯え、逃げ惑う人々の恐怖感が伝わってきます。

「後遺症ラジオ」のネタバレ

藁葺き屋根の家々が並び、水田が広がる田舎の平穏な風景の中で、少女が祖母に髪を切られながら泣いています。「連れて行かれないようにしないばならないからな」と、どうしても髪を切らなければならないのかと泣く少女に言い聞かせながら・・・

『あとは、○歳に髪を切るだけだから』と言っていた祖母。

成長した少女は大人になって髪も伸び、新幹線で椅子の隙間から何者かに髪を引っ張られてその祖母の言葉を思い出します。

場面は変わって街中で敬太は元カノの千冬に出会います。彼女はなぜかスキンヘッドになっていました。敬太はてっきり、自分が彼女をふったせいでそのショックで髪をボウズにしたのか、と考えていました。

けれども千冬はそれを否定します。「敬太はわたしを捨てたと思ってるだろうけど、逆なの私が逃げたの」と言い、敬太と付き合い始めたことで異変が起こり始めたのだと告げます。

敬太と交際してから後ろから髪が引っ張られる現象が起き、髪をショートヘアにしてもおさまらず、おかしな言動をするようになった千冬を敬太は気味悪がって離れていきました。「だからこれ、敬太に還す」そういった千冬の顔は奇妙にゆがんでいました。

そしてスッキリした顔で去っていき、今度は敬太の今の彼女であるカオリの髪が引っ張られることに・・・

また場面がかわり、今度は「おぐしさま」に取り憑かれた少年が・・・

「後遺症ラジオ」の感想

オムニバス形式でシーンがコロコロ変わるため、ストーリーをつなげるのが難しいお話ですが、その行間にある「つながり」が見えてくるとその怖さがわかります。古い伝統がいきづいている田舎で、封じ込められていた「おぐしさま」を解き放って呪われてしまった少年。

夜ごとやってくるおぐしさまの気配に怯え、どうかおかえりくださいと祈る地元民。封印がとけて善も悪もない純粋な力である神が都会に出てきて、恐怖を撒き散らしていき、呪われる理由すらわからないままに「おぐしさま」の不気味さに鳥肌が立ちます。

>>「後遺症ラジオ」試し読み