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漫画好きの読書箱

好きな本や漫画のネタバレと感想。

コインロッカー・ベイビー~昭和子ども虐待事件~ネタバレ感想

天ヶ江ルチカ先生が描く、過去に起こった残酷な「巣鴨子供置き去り事件」をもとに漫画化した「コインロッカー・ベイビー~昭和子ども虐待事件~」。

バツイチ子持ちのシングルマザーは息子が邪魔で育児放棄。しかも、出生届を出していないために学校へも行けない長男は、そんな母親でも慕い続けてそれゆえの「悲劇」が起こってしまいます。

コインロッカー・ベイビー「ママとぼくだけの家」あらすじ

>>「コインロッカー・ベイビー~昭和子ども虐待事件~」試し読み

ワケアリ親子の引っ越し

昭和55年、東京の巣鴨で、まだ幼い息子・直を抱えた母親がアパートに引っ越してきた。

夫はある日突然蒸発し、親子ふたりで暮らすことになった。母親は女盛りで、早速、引っ越し屋の若い男にときめいてしまう。

「子供じゃないよね。弟さん?」

男性の言葉に、つい母は息子のことを弟だということにしてしまう。今度ドライブに行こう、と誘われた母親はデートの約束をした。

母親思いでママが大好きな息子

直は、素直ないい子で泣いている母親を「もうママをいじめるパパはいないから泣かないで。ぼく、ママが大好きだもん」と慰める。

母親は仕事をして出かけると、残された直はひとりで部屋で遊んだり、食事も自分で用意してとる。

母が男とデートをして夜遅く帰ってくると、ご機嫌な母親を見て「ママ、今日は嬉しそうだね。よかったね、ママ」と喜んだ。

ぼくがママを守るから!

男にデートをドタキャンされて、出かける準備をしていたから、と直を上野動物園につれて行ってくれた母親。

直はテレビで見た動物園のパンダのお子様ランチを、ママと一緒に食べたくてねだったのだった。

ところが動物園は混んでいてすっかり母は疲れきってしまう。レストランの長蛇の列に並ぶのは嫌だ、という母の言うことを聞いてあきらめる直。

「どんなことがあっても、ママの言うことは聞くのよ」という母。

すると、直は真剣に「ぼくは絶対にママの言うこと守ります! ぼくがママを守るから!!」と答えた。

小学校に通わせてもらえない

直は小学校に通う年齢になったが、「あんたはお家でお留守番」と学校へ通わせてもらえなかった。

母は憎々しげに、「あんたは生まれたときに、あの男が役所に届けをだしていなかったの」と、出生届を出していないために「存在していない子供」だと告げる。

母親は男とデートを続けて深い仲になっていたが、相手がバツイチ子持ちだと知ると「カンベンしてくれよ、騙されたよ」と去っていった。

「私はこのまま一生、幸せになれないのかなあ」と母親は思いつつ、その後父親の違う妹を出産し・・・

感想

「巣鴨子供置き去り事件」は非常に痛ましい事件で、無責任な母親がつぎつぎに子供を出産し、長男にその世話を押し付けて置き去りにし、最後には子供たちがむごい姿で見つかります。

漫画ではもう少しマイルドに描かれていますが、戸籍のないままに育てられ、育児放棄された状態でもずっと母親を愛し、守ろうとして慕いつづけているのが哀れでした。こんな健気な子が我が子だったら愛しすぎるのに、本当にひどいです。

身勝手な母は新しい男を見つけては子供を産み捨てていくというどうしようもない女。架空の存在なら救われますが、実在の事件ですから、本当に救いようがありません。こんな事件が二度と起こらないように願います。

 

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